鮮やかな赤色が特徴的な野菜「ビーツ」。
日本料理ではそれほど頻繁に使用される野菜ではありませんが、代表的なロシア料理のひとつであるボルシチには欠かせない野菜です。
「ビーツ」はヒユ科フダンソウ属の根菜で、てんさい糖の原料となるテンサイ(甜菜)の仲間です。ショ糖を多く含むため、食べるとほんのりと甘みがあります。
糖度のみで言うと平均的なイチゴと同程度。
じっくりと加熱調理されたビーツは、特有の土のような香りが和らいで優しい甘みが引き出され、ホクッとした食感の中にもみずみずしさが感じられます。
ビーツは、地中海沿岸地方原産のアカザ科のサトウダイコンの一種です。見た目はかぶや大根と似ていますが、実は意外なことにホウレン草と同じ科に属するのです。ちなみに和名では、火焔菜(カエンサイ)ともいうのだとか。
【真っ赤な色に秘められた豊富な栄養素】
ビーツには、血圧を下げる働きを持つカリウムや、お腹の調子を整える食物繊維・オリゴ糖をはじめ、ビーツの特徴である色素成分ベタシアニン、ビーツの仲間であるテンサイに由来する成分ベタイン、女性にうれしい働きを持つビタミンB6や葉酸などが主に含まれています。
- カリウム
カリウムは細胞内に多く存在していて、血圧を調節したり、細胞の代謝や神経・筋肉の働きに関わる重要な栄養素です。不足すると食欲不振や倦怠(けんたい)感、むくみを招く原因になります。 - 食物繊維・オリゴ糖
食物繊維とオリゴ糖は、どちらも腸内の健康維持に役立ちます。オリゴ糖は善玉菌を増やして悪玉菌を減少させ、食物繊維は悪玉菌の生産物を排出させます。 - ベタシアニン
ビーツの鮮やかで濃い赤紫色は、ポリフェノールの一種であるベタシアニンによるもので、すぐれた抗酸化力があります。老化や病気の原因になるといわれている体の中の活性酸素を取り除く働きがあります。 - ベタイン
ベタインには、肝機能を高めて肝臓に脂肪をつきにくくする働きがあります。 - ビタミンB6・葉酸
ビタミンB6は、たんぱく質(アミノ酸)の代謝に欠かせないビタミンです。神経ホルモンの代謝にも必要とされています。皮膚炎を予防することから発見されたビタミンなので、健康な肌を維持するために大切な栄要素と言えるでしょう。また、ビタミンB群の仲間である葉酸も含まれています。
栄養豊富なビーツの真っ赤な色を生かしたオススメの調理法は…
- 皮付きのビーツをゆでる
ビーツの特徴である赤い色が抜けてしまわないように、丸ごと皮付きのままゆでるます。
水に少量の酢やレモン汁を入れると、より色鮮やかに仕上がります。竹串がスッと通ればゆで上がりです。食べやすい大きさにカットして食べましょう。
ビーツの色素が衣服に着くと非常に落ちにくいので、調理の際はご注意ください。まな板などにも色素が付いてしまうので、洗って乾かした牛乳パックやオーブンシートを敷いてカットするのもおすすめです。 - 茹でてから食べる
細かく切ってサラダなどにして生で食べる方法もありますが、一般的には火を通してから食べます。ビーツは固いので、丸ごと茹でてから切りましょう。皮を剥くと色と栄養が流れ出てしまうため注意してくださいね。
水を入れた鍋を強火で沸騰させ、洗ったビーツを丸ごと入れ、弱火でじっくり10分以上かけて茹でます。ときどき蓋をあけ、火の通り具合を確かめつつ、中までやわらかくなったら完成です。茹でるときに少量の酢を入れると、きれいな赤色に仕上がりますよ。
- ホイル焼きをして食べる
風味を楽しみたいならローストがおすすめです。アルミホイルの上にカットしたビーツをおき、オリーブオイルなどの油を振りかけます。上からもアルミホイルで覆い、180~190℃のオーブンで焼きましょう。ローズマリーやタイムなどのハーブを入れてローストしてもいいですね。 - 生で食べる
皮を厚めにむいて、食べやすい薄さにカットします。
最近では、生食でもアクが少なく、白地に赤い年輪模様の「渦巻きビーツ」も見かけるようになりました。シャキシャキとした食感で、サラダなどに使うと見た目にも美しいアクセントになります。
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— 青空マーケット (@aozoramarket_s) July 15, 2020
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